★ トスカポリカ氏の日誌 ★
 



 ⌘月△日 雷曜日
 天候:晴れのち少々曇 気温:19度 湿度:27% 魔力濃度:71%
 何事もなく穏やかに暖かな一日。
 ウェザーリンクシェルの予報によれば、明日は朝少し冷え込むらしい。
 書庫の温度管理に気を配ることが肝要。フラックノラックに指示する。

 

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 ◓月#日 風曜日
 天候:晴れ 気温:21度 湿度:34% 魔力濃度:87%
 午後から五院の院長会議に出席。
 上級魔法の開放についての案件でアジドマルジドが強硬論を主張。
 先だっての会議ですでに開放を見送るべしという結論がでているのに、あやつめはまだ諦めぬ様子。不用意な力への野心には断固として反対する。
 その昔あやつの父親の暴走をとめた先代殿のように、ウィンダスを危うくする誤った極論は、文字通りウィンダスの目であるところの目の院院長たるワシがなんとしてでも止めねばならぬ。
 議論がまとまらず会議が終了したのは夜半。目の院にて予定していた紛失図書追跡調査の確認は翌日に持ち越す。

 

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 *月▽日 闇曜日
 天候:曇のち快晴 気温:22度 湿度:31% 魔力濃度:62%
 紛失図書追跡調査員の役職を「知識の守り手」と命名。任命する冒険者に、この役目の名誉と重さを十分に理解してもらうために自ら考案し称号を与えておる。
 しかし昨今の若い者は即物的な力ばかりを追い求め、文学的素養や先人の知識に対する敬意が足りぬ。目の院に訪れる冒険者は後を絶たぬが、仕事はないかと言うばかりで、本の貸し出しを希望するどころか、書架に手を伸ばそうとする者さえほとんどおらぬ。全くもって嘆かわしい。

 

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 ♠月&日 水曜日
 天候:晴れ 気温:26度 湿度:42% 魔力濃度:67%
 森の区のガードのミスラがやってきて、蛙の本を借りたいとの申し出。
 フラックノラックがいくつか示した本が気に入らぬようなので、ワシが生物学の名論文『エルシモアカガエルの産卵期における食性の変化』を推薦してやる。
 しかしそのミスラはページをすこし繰っただけで眉をさげ、絵がひとつもないにゃ、とかなんとかため息をついてそのまま帰っていった。よくわからぬ。

 

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 ♠月〒日 土曜日
 天候:霧のち曇 気温:20度 湿度:48% 魔力濃度:72%
 午前10時より月例の院内報告会。
 知識の守り手に与える督促文書について、ハリガオリガからの苦言。
 書中の文言が厳しすぎる、との意見。ワシの判断では問題はないのだが、部下の成長をうながす意味でも、ハリガオリガ本人に書かせてみることにした。
 夕方、提出された新督促文書案を見る。字が汚くて内容判読できず。

 

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 △月@日 火曜日
 天候:晴れ 気温:22度 湿度:41% 魔力濃度:70%
 目の院の蔵書数、また研究の歴史などについて、魔法学校の生徒のひとりが質問に来る。ワシ自身多忙の身ではあるが、未来ある子供のために自ら解説してやることに。
 目の院創設までの歴史、歴代の院長の出自とそれぞれの方策、書庫と開架における蔵書管理と分類法の進歩による検索システムの変遷などの基本的な背景について2時間半ほど説明したところで、子供がトイレに行くと言って席を立つ。40分ほど待ったが帰って来ず。まだ本題にはいっておらぬというのに、挨拶もなしに姿を消すとはけしからん。が、時節柄、腹でもこわしたのかもしれぬ。不幸な子供だ。明日来たら続きを説明してやれるよう、院史六巻以降に再び目を通しておくこととしよう。

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 ◆月⌘日 光曜日
 天候:晴れ 気温:23度 湿度:36% 魔力濃度:69%
 知識の守り手から探索書籍無事回収の報告。胸をなで下ろす。
 来年度予算案の承認と新たな紛失図書リストのチェック。
 明日の院内報告会に向けての書類準備。
 神々の書の件はまだ解決せず。考えると胃が少々痛む。
 が、気を落としてばかりはいられぬ。ただひたすら、わが愛すr
 

 
コンコン。キィッ。
 
Ritopopo:失礼しまぁす。院長さま、書庫の湿度設定と戸締まり確認終わりまし・・・あら?
Ritopopo:(わぁ・・・院長さまが居眠りなんて!珍しーい。)
Ritopopo:(ふむふむ、日誌を書いてらしたのね。
      今日も忙しかったからお疲れなのかしら・・・ん?)
Ritopopo:(わぁ・・・!)
Ritopopo:(わ、「わが愛する」ですって!?)
Ritopopo:(あのクソ真面目な院長さまが、愛する人がいたなんて!
      ロマ〜ッンス!スキャンダラ〜ッス!!)
Ritopopo:(このこと、だ、誰か知ってるのかしら?!
      ・・・・ううん、知るわけないわ。そんなわけないもの。)
Ritopopo:(・・・そうよね、これは重大な重大なヒミツ。
      誰にも言っちゃぁいけないわよ、リトポポ!)
Ritopopo:(うん、誰にも・・・)
Ritopopo:(・・・・・・)
Ritopopo:(・・・ソデデくらいなら、あの子、口堅いし・・・
      ちょっとくらい、話しても大丈夫かしら?)
Ritopopo:(・・・・・・)
 
Ritopopo:じゃ、じゃぁ私お仕事も終わったし帰りますね!お先に失礼しまぁっす!!
 
バタンッ。パタパタパタパタ・・・・
 
Tosuka-Porika:ムニャ・・・・ううん・・・わが愛する・・・本たちのために・・・
       ムムムッ・・・ぐう。  



écrivassière : みやぴん
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